最近考えてたことについて、自分の頭の整理です。
「〇〇したほうがいいと思います」「xxやりたいんです」みたいな声が上がるのはどんな組織でもあるんじゃないでしょうか?その声が上がること、それ自体はいいことだと思っています。
こういう状況で素早く判断するにはどうしたものか、自分の頭を整理をしてみたので備忘録です。
「気に食わないこと」は意外と多い
白黒はっきりつけられることばかりではない
他人の提案に対して白黒はっきりつけられないと感じることは、多くの人が結構な頻度で感じるものなんではないでしょうか?
例えば、提案に対してこのように感じるようなときですね。
- 根拠がない・明確でない
- 論理展開に抜け・漏れがある
- トレードオフが存在する
このどれも、必ずしも悪いというわけではないように感じています。 数字で根拠を提示することは難しいけれど、長年の経験や人間の直感を動機に提案が発生することだってあります。(人間の直感はある意味では意外と当たる)
提案をちゃんと書いている時間がなくて(あるいはそれ以上にスピードが大事で)論理展開に抜けや漏れがあることだってあるでしょう。 場合によっては、どう頑張ってもトレードオフが発生してしまい、「良いこともあるが悪くなってしまう部分もある」という状況もあるでしょう。
このどれもありがちな話ですが、聞き手の身としては初見の提案に対して判断することが困難なのも事実です。
たくさんの「なんとなく良い/嫌」
全てが白黒はっきりしていれば簡単なんですが残念ながら世の中そんなに簡単ではなく、先に挙げたように「白黒はっきりつけられない」状況がたくさんあります。
特に何らかの変化を伴う提案には、現状維持バイアスが発生しがちです。
提案者としては動機はあるものの確証はない「なんとなく良い」状態で提案しているのに対し、それを聞く方には現状維持バイアスが働くことで「なんとなく嫌」と感じてしまう、なんてことが発生します。
議論から感情を排除する
実際に、世の中甲乙つけがたいことだらけで、「なんとなく良い」「なんとなく嫌」という感情で溢れてます。
提案の聞き手としては「なんとなく嫌」と感じてしまうのはある種仕方ないとは思いますが、「なんとなく嫌だから却下」としていると組織の動きはだいたい停滞します。 これがエスカレートすると、「古き良き日本組織」「トップダウン型組織」だと感じられ、組織から人材が流出するなんてことも発生します。
ちなみに、発言力がある人はこれを感じにくいのがポイントです。 意思決定の権限が異なっている場合、権限が強い人の意見はすんなり通りやすいので本人としては「風通しの良い組織」と感じるのに対し、権限が弱い人の意見は却下されやすいので「風通しが悪い」と感じることになります。
「じゃあどうしたら良いの?」というのが今回整理したかった内容です。
「気に食わない」の感情を自覚する
最初のステップは「気に食わない」の感情を自覚することかなと思います。
「なんとなく嫌」「気に食わない」と感じると、人間は大なり小なりストレスを感じます。 人間はストレスを感じると無意識にそのストレスを排除する方向に行動しようとしてしまいます。
無意識というのがポイントで、自覚しないと対処しようがないわけです。
スタンス:「賛同」のバイアスを持つ
ここからは半分個人のスタンスではありますが、個人的に「発言者の意志を尊重する」スタンスを取るようにしています。 理由は、そもそも提案にはそれなりにエネルギーが必要で、そのエネルギーを使って行った行為自体には敬意を払うべきだと考えているからです。
発言する前にたくさんのエネルギーを使って、それを完全否定されればやる気もなくなっていきます。 仮に考えを1ミリも理解できなかったとしても、基本的に賛同するバイアスをかけて動くようにします。
不明確な原因を探る
「気に食わない」ということを自覚して、賛同するバイアスを意識的にかけた後は、白黒つけられない原因を探っていきます。
白黒判断できないのには、何かしら理由があります。 先に紹介したように、ロジックが不足していたり、そもそも根拠が薄かったり、トレードオフがあったり、理由は色々です。 場合よっては、現状維持バイアスがここにも入っていたりするので、その辺りを整理します。
とくに、白黒つけたくないケースもあり、その原因が自分自身にある場合があります。 例えば、自身の知識不足に起因して現状維持バイアスが働いていることもあります。
こうした原因を自分なりに整理し直して、自分にとっての論点を整理します。
「自分にとってマイナスか」でポジションを取る
自分にとっての論点を整理したら、それらを踏まえた上で自分にとっての最悪ケースを考えます。 特に、提案の内容が完全に失敗したとしても、自分にとってデメリットが全くないことがあります。(他の誰かが困るだけ) 場合によっては、仮に失敗したとしても誰も特に困らないことがあります。
そのあたりを総合的に考えて、「自分にとってマイナスか?」ということを考えるようにしています。 このメリットは、あくまで「自分にとって」なので余計な確認をしなくて良いので判断が早くなるためです。 逆に、自分にとってマイナスである場合には全力で否定します。自分が後々困るので。
「関係者全員にとってマイナスでなければプラス」と考え、自分は自分の視点での良し悪しだけ判断するということにしています。全体最適を考えるのも大事ですが、せっかく複数人で議論してるんです、全員の脳みそ使ってNGでなければOKでしょう。
感想
以上、頭の整理でした。
気に食わないことは世の中たくさんありますが、無駄な議論をせず、素早く自分のポジションを取るために最近気をつけてることでした。 気が利く人ほど放っておくと全体最適の案を模索しがちなんですが、そんなに難しいことせずに集合知使ったらもっと楽に行けるのになーと感じたので自分用のメモでした。