どこにでもいるSEの備忘録

たぶん動くと思うからリリースしようぜ

HHKB Studioが想像以上に良かったという話

この度、日本のキーボード業界にビッグニュースが舞い込んで来ましたね!

そうです、HHKB Studioが発売されました! 個人的には最近はあまりHHKBを触っていませんでしたが、この製品には非常に興味が湧いたので思わず購入してしまいました。

こういうレビュー記事ははさっさと書くに限るので、数日間使ってみただけですが、感想を書いていきたいと思います。

HHKB Studioのご紹介

このセクションは基本的には公式ページに載っている情報なので、公式情報で事足りてる方は使ってみた感想まで読み飛ばしていただければと思います。


HHKBといえば、もはやキーボードにちょっと詳しい人には説明不要ですね。言わずとしれた、名作キーボードHappy Hacking Keyboardです。 HHKB Studioはその新製品です。

happyhackingkb.com

接続したときの様子

既存のHHKBとは別ラインの製品としての位置付けになっており、新製品だと思っていただければと思います。

商品ページはこちらからどうぞ。

※2023年10月28日現在、品切れになってます。 (PFUさんの新製品がすぐに品切れになるのはいつものことなので、年内には復活するのでは?と個人的には思ってます)

(2024/11/01追記)カラーバージョン雪も新しく発売されたらしいです。

ポインティングスティックとマウスボタン搭載でマウス不要に

HHKB Studio最大の特徴として、ポインティングスティックが搭載されキーボードだけで基本的なPC操作をすることができるようになっています。

ポインティングスティックを近くで見た様子

上図の中央にある黒丸のスイッチみたいなのがポインティングスティックです。 手前の3つのスイッチが左から

  • 左クリック
  • スクロール用Fnキー
  • 右クリック

となっています。 スクロール用Fnキーを押しながらポインティングスティックを操作することで、画面スクロールが可能になっています。

通常、キーボードにはポインティングデバイスとしての機能は搭載されていないため、マウスやトラックパッド、トラックボールなどのポインティングデバイスをあわせて使用するのが普通でしたが、この製品ではそれらポインティングデバイスが不要になります。

単純にポインティングデバイスが不要になったというだけでなく、キーボード操作とマウスカーソル操作をほとんど手を動かすことなく行うことが可能になっており、その分効率的かつ疲れにくい点も非常に魅力的な点ですね。

カスタマイズ可能なジェスチャーパッド搭載

HHKB Studioの機能としてジェスチャーパッドが搭載されています。

ジェスチャーパッドは左右側面と手前部分の左右の合計4箇所搭載されており、それぞれに別のジェスチャを登録することができるようになっています。

横から見た様子

図では側面の黒い部分がジェスチャーパッドを撮影していますが、ここを手でなぞる事で登録してある操作を実行することができるようになっています。

キーマップ変更ツールでジェスチャを登録できる

HHKBオリジナルメカニカルスイッチを採用

HHKB Studioでは、従来のHHKBシリーズで使用されていた静電容量無接点方式の特殊なキースイッチではなく、HHKBオリジナルメカニカルスイッチが採用されています。

HHKBオリジナルメカニカルスイッチ

メカニカルキーボードのスイッチを知っている人向けに詳細を書くと、

  • 静音リニア軸
  • 押下圧45g

のようになっています。(製品ページリンク)

なお、このキースイッチだけでも購入可能となっており、自作キーボードにHHKBオリジナルメカニカルスイッチを使用して使うといったことも可能になっています。

ホットスワップ方式によりキースイッチを簡単に変更可能

HHKB Studioは、ホットスワップ方式を採用しています。

自作・メカニカルキーボードを使用する人は、キースイッチに自分好みのものを使用するのが一般的です。 また、静電容量無接点方式と比べて、メカニカルのキースイッチでは接触不良や故障が発生することがあり、こうした場合にもキースイッチを交換することがあります。

ホットスワップ方式とはキースイッチをはんだ付けすることなく接続できる方式で、はんだごてなどの特殊な工具無しで、キースイッチを引っこ抜く・差し込むだけで誰でも簡単にキースイッチを交換することができる方式です。

キースイッチは引っこ抜くと外れ、別のものに簡単に交換可能

ホットスワップ方式は最近のキーボードではそこまで珍しくもない方式ではありますが、未だにキースイッチをはんだ付けする必要のあるものもあるので、その意味ではスイッチの交換の敷居は非常に低いと言えますね。

キーマップ変更機能

これは従来のHHKB Hybridシリーズからもありましたが、キーマップを自由に変更できる機能が搭載されています。 キーボード自体にキーマップ情報を書き込むので、接続先のPCを変更しても同じキーマップで使用可能になっています。

keymap変更ツール

キー配列を自分好みにカスタマイズしたり、ジェスチャの設定もこのソフトウェアで行う事ができます。

気になるお値段、なんと¥44,000!!

さて、ここまで主要な機能についてご紹介したとおり、非常に機能もモリモリで打鍵感などにもこだわって作られたまさにAll in Oneなキーボードになっています。

気になるそのお値段、なんと¥44,000です!!

HHKB Studio|PFUダイレクト

キーボード好きがスイッチやキーキャップにこだわった高級キーボードと、価格的に大差ないレベルになっています。 決して安い買い物ではないことがわかりますね。

その他、実際の写真

その他の実機の写真はこんな感じです。 きれいな写真が見たい方は公式ページに行けばたくさん見れるのでそちらも御覧ください。

箱はこんな感じです

開封するとこんな感じに入ってます

電源スイッチはスライド式

Type-Cケーブルが使用できる

背面の様子

使ってみた感想

HHKB Studioを使い始めてからたった数日しか経ってないですが、なんとなく雰囲気がわかってきたので感想を書いていきたいと思います。

キースイッチは想像以上に良い

おそらくHHKB Studioで最も注目ポイントになったであろう「HHKBオリジナル押下圧45gリニアタイプの静音メカニカルスイッチ」が気になっている方は多いかもしれません。

正直、これまでの静電容量無接点方式のスイッチと比べて打鍵感が同じかと言われると、別物と言わざるを得ません。 こればっかりは、やはり静電容量無接点とはやはり違うというのが正直なところで、「静電容量無接点じゃなきゃだめ!」というこだわりが強い人はひょっとするとがっかりするかもしれないです。

それを踏まえた上で、一つのスイッチとして良いか悪いかについていえば素晴らしいスイッチだと個人的には思ってます!

正直、最初はホットスワップ方式のキーボードだったので「打鍵感が好みじゃなかったら手元のキースイッチに変えればいいや」と思ってましたが、その気も全く起きないくらい非常に良いスイッチだと思いました。

個人的に気に入っている特徴を挙げるとすれば、下記2点かなと思います。

  • 非常に静音
  • 押下圧は45gで軽すぎず重すぎないちょうど良さは健在

これまで普通のメカニカルキーボードを使用していた私から言わせると、静音性は非常に高いと思います。 また、押下圧はHHKBと同様45gでとなっており、あの軽すぎず重すぎずちょうどいい押下圧はそのままになっているので、その点も文句ありません。

打鍵音が気になる場合もあると思うので、タイピングテストしてみたので参考に乗せておきます。

比較用に普段使ってるごく普通のキーボードの打鍵音も置いときます。

ポインティングスティックは今のところ大満足

HHKB Studioの目玉機能であるポインティングスティックも個人的に大満足でした。 ThinkPadのトラックポイントに飼いならされてしまった私としては、ThinkPadと同じ感覚で使用できることは非常に嬉しい限りです。

ちなみにポインティングスティック搭載のキーボードは他にも存在しており、Tex Yoda Ⅱをご存知の方もいるかもしれません。

tex.com.tw

Tex Yoda Ⅱ実物

私自身はTex Yoda Ⅱも使用していたことがあるので、その観点からポインティングスティックの違いを挙げると大きくは下記の2点があると思います。

  • ポインティングスティックの速度をキーボードレベルで調整できる
  • ポインティングスティックの反応が不安定になることがない

カーソル操作の速度調整(カーソルの動きを速くしたり遅くしたり)は通常PCで使用することが多いと思いますが、HHKB Studioではキーボード自体で速度を調整することができます。

また、Tex Yoda Ⅱでは、トラックポイントを長時間使用していると(手を離していても)勝手にカーソルが動いてしまうことが発生していました。(もしかして自分だけ?)

おそらくですが、トラックポイント使用時の力が変に残存して感知されてしまっていたんだと思います。 コネクタを抜き差しすればリセットされるので別にいいっちゃいいんですが、そういった不安定さも稀に見られていました。

今回のHHKB Studioではその変な事象も発生せず、快適に使用することができているので、ポインティングスティックの完成度という観点でも大満足です。

ジェスチャーパッドの設定は要検討

ジェスチャーパッドについて気になっている方も多いかと思いますが、これについてはまだ正解がわからないというのが正直なところです。 (Twitter もとい X でも、ジェスチャーパッドをどう使うか難しいという反応をちょいちょい見かけるので、最適解を見つけたら誰か教えてほしい…)

普段から様々なジェスチャをトラックパッドなどに登録して使っている人は、いろいろ試行錯誤して最適解を見つけていく必要がありそうだなと思ってます。

キーキャップのカスタマイズはもうちょっと後になる

メカニカルキーボードの楽しみの一つにキーキャップを好みのものにカスタマイズすることが挙げられます。

HHKB Studuioポインティングスティックが搭載されている関係上、"G" "H" "B"のキーキャップが特殊な形状になっています。 そのため、市販されているキーキャップをそのまま使用するとこれら3つのキーキャップだけはそのまま使用することができない点は注意が必要ですね。

ただし、どうやらこのキーキャップの3Dデータも公開されるようです。(2024年3月頃公開予定らしいです)

www.pfu.ricoh.com

これが公開されれば3Dプリンタでキーキャップ作成できるようになるので、交換したい人はそれを待ってから自分でキーキャップを作成する事になりそうですね。

おまけ:遊舎工房さんで実機を触れるらしい

ここまで感想をつらつら書いてみましたが、たぶん多くの人は「記事じゃわからん」という感想が正直なところでしょう。 非常に高価なデバイスですので「実際に触ってから買うかどうか判断したい」と考えられている方も多いと思います。

なんと、すでに遊舎工房さんで実機が展示されているそうです。

yushakobo.jp

御徒町(上野)と秋葉原の間くらいの場所にありますので、お時間・都合がつく方で興味のある方はぜひ行ってみてください。

そして、皆さまキーボード沼にハマっていきましょう…(ニッコリ)

また、「ゲオあれこれレンタル」でもレンタルが可能なようなので、そちらで試して見るのもいいかもしれませんね。

geo-arekore.jp

まとめ

やっぱりPFUさんはレベルの高い合格点をオールウェイズ出してくれますね!

個人的にはこの製品はめちゃくちゃ気に入っています。ご興味ある方はぜひ一度触ってみることをおすすめします!!

以上、HHKB Studioが想像以上に出来が良かったので思わず書いてしまった記事でした。