どこにでもいるSEの備忘録

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【雑記】学ぶことの広さと深さについての頭の整理

最近、開発関係の基本的な内容について勉強することが多いんですが、それってどこまで行って”基本”でしかなくて、ちょっともやもやしてました。

  • これって最終的に自分のどれくらいリターンがある知識なんだろうか?
  • あるいは、どこまで突っ込んだところまで学べばリターンがあるんだろうか?

今回はそんなことをいろいろ考え、整理したメモです。
エンジニアリングとしては面白みもないので、その辺りはご承知おきください。

学びの広さと深さとお金の関係

日本国民なら誰しも、義務教育を潜り抜けて今に至るわけで、その過程でいろんな科目を学んできているはずです。 そして、各科目に対して得意不得意があってしかるべきかなと思います。 大学に進めば更に細分化された科目を学んでいくことになります。 そこでもやっぱり得意不得意が出てきて然るべきだと思います。

ここで一つ疑問に思ったのは、その人の市場価値ってこういった科目別の能力の足し算ですか?それとも掛け算ですか?
個人的な考えとしては、これはどっちもNoだと思ってます。

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特定の科目だけとびぬけた人ってたまにいますよね? でもその人って、ものすごく市場価値高そうじゃないですか。 これって、科目それぞれのパラメータの単純な足し算・掛け算では表現できなくて、もうちょっと複雑なんだと思います。

広さ=マーケットに対する守備範囲

知識の幅って、自分のとれるマーケットの幅でしかないんですよね。 ある内容は、とある業界では確かに新しいのかもしれませんが、別の業界では当たり前だったりします。 要するに、他人の土俵で何とか土俵に立てるってだけで、勝負には決してなっていません。

他人の土俵に上がるために、最低限の業界の常識とも言える知識・スキルが存在します。 しかし、仮に他人の土俵に上がれたとしても、ほかに武器を持たないので勝負になりません。 土俵に上がってボコボコにやられるわけです。

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深さ = マーケットバリュー×その人のランク

ここでマーケットバリューは、単純に市場規模だけではなく、市場成長率も加味します。 尻すぼみの市場だと、一生懸命勉強した後に市場がなくなっている可能性もあるので。

最終的に自分に対する金銭的リターンを考えると、深さはマーケットの大きさとそのマーケットの中での知見の深さに依存するように考えられます。

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学習戦略

ここまでの前提が正しいと考えると、次に疑問になるのは「自分は次の一手としてどの方向に進むべきか」というところかと思います。

これもちょっと考えると大変なんですが、

  • マーケットバリューの大きい市場に参入する
  • 上位のランクに進出できる市場に参入する

の2点をクリアすると、その人の市場価値は最大化することになります。 その時の制約を見ると、基本的なことでも勉強する価値がわかりそうです。

深さから長距離の転移はできない

これはなんとなくイメージつくでしょうか。 例えば金融にものすごく専門知識を持った人が、突然農業のスペシャリストにはなれません。 ただ、サーバーサイドエンジニアがフロントエンドエンジニアになることは、大変だとは思いますが、無理じゃない気がします。

何が言いたいかというと、知見の深さを生かしたまま大きく異なる他の土俵に移動することは困難と言うことです。 他の土俵に映るときは、少なからず市場価値を落とすことを覚悟しないといけません。

大幅なクラスチェンジは基本的なところを通る他にない

前提として、似通った領域の知識ほど、そこそこ知っている、いわば正規分布みたい知識の分布になっていると考えます。 その時他の土俵に移るときは、イメージとしてこんな経路を通る気がします。

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自分に近い土俵ほど使える能力は多いので、そんなに損失なく土俵を返ることができますが、自分とかけ離れた土俵ほど培った能力を捨てて新しい知識を習得する必要があります。

学習のポジションニング戦略

じゃあ、最終的に学習対象の選定戦略としてはどうするべきかと言うと、自分から遠すぎない領域の知識を学ぶことが良いということになります

なるべく自分の守備範囲を広げつつ、他の土俵に行ってもある程度通用する知識にしていくことで、自分の市場価値を下げず、かつ移動した先でのポジションも良いものになるためです。

まとめ

深さは必要か?

A: Yes

ある時点においてある個人の市場価値を算定する上では、深さは非常に大事です。 マーケットバリューや成長率が良いのは前提条件ではありますが、その中で上位のポジションをとるには深さが必要になります。

基礎の学習は大事か?

A: Yes

常に良質なマーケットにシフトできるように、基礎の学習はし続けないといけないですね。 良質なマーケットにポジションをとるには先に書いたように、浅いところから遷移する必要があります。

また、市場の衰退を考えると、次やその次を見据えて範囲を広げておくことは非常に重要ですね。 ただ、それは本を読んだくらいの知識ではなく、文字通り「首を突っ込んだ」知識になっていると、その他色々の横並び集団から頭ひとつ抜け出した存在になると思います。

なにが言いたいかと言うと、基礎的なことでもそれは同じような境遇のその他色々の中では、やっぱり未知の情報です。 そういった専門外の勉強をすることは、違うマーケットに行くことを考えたときに、より広い範囲、より有利なポジションを考えられるってことです。 そういう意味では、今やってることはどんなに基本的なことに見えても見方によっては意味があるってことになりますね。

感想

なんとなく頭の整理でした。 結論、教科書レベルの基礎も突っ込んだ専門知識もどっちも大事で、用途が違うってことで腹落ちしました。 考えてみると当たり前ですね。

他人のblogとかTwitterとか見てて、「隣の芝生は青く見えて」いましたが、自分にできることを淡々とこなすしかないみたいですね。 チャンスが来た時に、いち早く第一人者になれるように、準備だと思ってやっていくしかないですね。