こんな本を読んでいました。
FMEA手法と実践事例―品質管理と信頼性、保全性、安全性解析、医療事故防止 (ISO9000品質システム構築に役立つ手法シリーズ)
- 作者: 小野寺勝重
- 出版社/メーカー: 日科技連出版社
- 発売日: 2006/08/01
- メディア: 単行本
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よく見たら10年以上前の本でした。。。 全然IT関係無いですが、こちらの本を読んだのでそのメモです。
FMEAとは
FMEA (Failure Mode and Effects Analysis)とは、日本語で訳すと「故障モードと影響解析」になります。 早い話が、
部品AがBという故障の仕方をした時、影響はどの程度で、どういう対策をしなければならないかを分析すること
を指します。
目的
FEMAの目的は、システムに重大な影響を及ぼす故障要因の抽出である
へえ。
ボトムアップとトップダウン解析
FMEAでは、まず故障を洗い出して、その故障をもとに影響を分析していきます。
このように、FMEAではボトムアップ的に分析を行っていきます。
似たような分析にFTA (Fault Tree Analysis) がありますが、こちらは故障の木解析と呼ばれます。
こちらは望ましくない「頂上事象」を設定し、それを引き起こす現象を分析していきます。 こちらは、FMEAと対象的にトップダウン的手法になります。
解析手順
こんな感じになるようです。
- 解析対象システムの理解
- (インプット)要求仕様書、環境条件など
- 信頼性ブロック図の作成
- (インプット)系統図、シーケンス
- 故障モードの抽出
- (インプット)FMEAワークシート、故障データ
- 影響度解析
- (インプット)系統図、シーケンス、操作マニュアル
- 知名度評価
- (インプット)評価点表
- 各種対策への展開
- (インプット)系統図、シーケンス、機器、部品の構造図
FMEAワークシート
こんな感じです。
信頼性ブロック
こんな感じです。
影響度解析
部品の故障から派生して影響がどこまで広がるかを考えます。
影響範囲の例は、
- サブシステム
- システム全体
- ユーザーの安全
- 環境
などがあります。
致命度評価
致命度Xは、故障モードの発生頻度をA、影響度をBとして
で算出される。
この時、B = サブシステム + システム + 安全性 となっている。
故障モード
FMEAは部品等の故障モードを洗い出すことから始まり、それを下に上位のシステムへの影響を評価します。 つまり、抽出されなかった故障モードについては全く分析されません。 そのため、故障モードの洗い出しが非常に重要となります。
漏れなく抽出するための工夫
一人で黙々とやってたら間違いなく検討漏れが出るので、こんな感じの工夫がされるらしいです。
- ブレインストーミング法
- 3~5人で意見を出し合う。
- エネルギーフロー法
- 電気や燃料、光などのエネルギーがどのように伝わるかをベースに、その経路に関する故障モードを検討
- 故障データの活用
- 過去のデータの活用
- 図面検討
- 図面を確認
- ライフサイクル段階毎の故障モードの検討
- ライフサイクルごとに考えることで、視点を変える
へえ。
FMEAの実用途
実際のところ、どんなふうに使うんでしょうか。
品質保証
FMEAはシステムに内在する問題点の摘出に利用されます。 品質、信頼性、安全性などの保証プログラムに取り入れられ、デザインレビューによる評価とともに新製品の問題の抽出に役立てられます。
、、、ということらしいです。すごい大変そう。。。
FTAとの組み合わせ
FTAはこんな感じで故障の生い立ちを分析していきます。
(出典: http://www.ssm.co.jp/preventive/fmea_fta.html)
この辺と組み合わせることで故障の原因を特定するだけでなく、その影響範囲の分析まで可能になる。らしいです。。。
感想
まじで難しい。ITの10000000倍難しい。間違いないです。。。