AtCoderやってたら、ワーシャル–フロイド法を使う問題が出てきて、知らないアルゴリズムだったので勉強してみた次第です。
ワーシャル–フロイド法 is なに?
wikipediaによるとこんな感じに書いてありました。
ワーシャル–フロイド法(英: Floyd–Warshall Algorithm)は、重み付き有向グラフの全ペアの最短経路問題を多項式時間で解くアルゴリズムである。名称は考案者であるスティーブン・ワーシャル(英語版)とロバート・フロイドにちなむ(2人はそれぞれ独立に考案)。フロイドのアルゴリズム、ワーシャルのアルゴリズム、フロイド–ワーシャル法とも呼ばれる。 ワーシャル–フロイド法 - Wikipedia
例
重み付き有向グラフに関して、全ペアの最短経路問題を解くことを考えます。 例えば、下記のような状況があったとします。
ここで、結合された場合のコスト>0とし、結合されていない場合をinf、始点と終点が同じノードであるケースはコスト0としています。
その際に、グラフ内のノードのペア全てに関して最短経路の距離を求めることとします。 これを解くことを考えると、経由するノードに着目して、下記のような3重ループによって求めることができます。
func min(a, b int) int { if a < b { return a } return b } func warshall_floyd(A [][]int, n int) { // nは頂点数 for i := 0; i < n; i++ { // 経由する頂点 for j := 0; j < n; j++ { // 開始頂点 for k := 0; k < n; k++ { // 終了頂点 A[i][j] = min(A[i][j], A[i][k]+A[k][j]) } } } }
これにより、始点 - 終点のペアに対する最短経路が二次元配列に書き込まれることになります。
このようなアルゴリズムがワーシャル–フロイド法のようです。
実際にやってみる
実際に、できなかった問題についてやってみます。
基本的な考え方としては上のワーシャル–フロイド法となっています。 異なる点としては、経由する頂点による場合分けが発生している点です。 それを踏まえて考えると下記のようなコードでうまくいくはずです。
クリックして展開
package main import ( "bufio" "fmt" "os" "strconv" ) var sc = bufio.NewScanner(os.Stdin) func nextInt() int { sc.Scan() i, e := strconv.ParseInt(sc.Text(), 10, 64) if e != nil { panic(e) } return int(i) } func min(a, b int) int { if a < b { return a } return b } func warshall_floyd(A [][]int, B [][]int, n int, k int) int { // nは頂点数 var ans int = 0 for i := 0; i < n; i++ { // 開始頂点 for j := 0; j < n; j++ { // 終了頂点 A[i][j] = min(B[i][j], B[i][k]+B[k][j]) if A[i][j] < inf { ans += B[i][j] } } } return ans } const inf int = 1e18 func main() { sc.Split(bufio.ScanWords) var N, M int fmt.Scanf("%d %d", &N, &M) A := make([][]int, N) B := make([][]int, N) for i := 0; i < N; i++ { A[i] = make([]int, N) B[i] = make([]int, N) } for i := 0; i < N; i++ { for j := 0; j < N; j++ { A[i][j] = inf } A[i][i] = 0 } var start, goal, cost int for i := 0; i < M; i++ { start = nextInt() goal = nextInt() cost = nextInt() A[start-1][goal-1] = cost } var sum int = 0 for i := 0; i < N; i++ { copy(B, A) sum += warshall_floyd(A, B, N, i) } fmt.Printf("%d\n", sum) }
参考文献
下記の記事を参考にさせていただきました。
感想
初見ではなかなかやり方がわからず、解説をみて初めて知ったアルゴリズムだったので、備忘録の意図で書いてみた記事でした。 それにしても、コードが美しい…。