どこにでもいるSEの備忘録

たぶん動くと思うからリリースしようぜ

ものを考えるときにはフレームがほしいという話

お仕事でもプライベートでも何でも良いんですが、なにかを深く考えることがあるかと思います。 お仕事なら、計画を立てたりするのがここに当たるでしょうか。 プライベートなら、例えば大勢で遊びに行く際の段取りなどが該当するでしょうか。

こういう作業、一人でやる分にはいいんですが、複数人でやって結構たいへんな目にあった経験をもった方もいるんじゃないでしょうか。

こういう「ちゃんと考える系」のことをやる際に、「思考のフレームが欲しいなー」とふと思うことがあったので、その思考の過程を書いていこうと思います。

思考の迷子

目指すべき山を決めずに歩くは、さ迷うに等しい。

何かを考えるときにはゴールをはっきりさせましょう、ということはよく言われているように思います。

あの孫正義さんもおっしゃっていることなので、その通りなのかなと思います。

地図を持たずに山を登るのは怪我をしに行くに等しい?

目的地を決めずに思考を始めると、どこにもたどり着けないというのはあるんですが、目的地を決めるだけでは不十分な場合も多くあると思います。 あくまで個人的の意見ですが、さらに踏み込んで「思考のゴールを決めるだけでは不十分かも?歩く道もわかっていなくても迷走するのでは?」と思ってます。

具体例「Aさんは○○を気にして、Bさんは☓☓を気にする」

地図を持たずに思考の結論を出そうとすると怪我するケースを考えてみます。 (見に覚えがありすぎて考える必要もありませんが)

例えば、なにか「XXXというプロジェクトをやるべきかどうか」という問題について考えているとします。 多くの場合、こういう思考を巡らせるときは考えをまとめて伝えること(あるいは承認)が必要なケースです。

そして、

  • 〇〇はどうなってる?
  • こういう理由でダメじゃない?

となって、思考のやり直しが発生します。

他のケースとしては

  1. Aさんは○○を気にして追加で検討した
  2. 直す
  3. Bさんは☓☓を気にして追加で検討した
  4. また直す

みたいなのを何度か繰り返すケースです。 大体のケースでこのやり取りの途中で疲弊して嫌になってきます。

これ、知らない土地で目的地に辿り着こうとしているときと似ています。 大まかに進む方角はわかっているが、気にしなければ行けない観点(道)は複数あって、どれか一つでも見落とすとスタートまで戻る感覚です。

ここで言う"フレーム"はなにか?

さて、ここまで何度か書いてきた「地図」にあたるものが、今回テーマにしているフレームと呼んでいる代物です。 英語だとframework、日本語だと「枠組み」って感じでしょうか。

結論を導くためのロジック + 収集すべき情報・検討すべき観点の一覧

ここでは

  • 結論を導くためのロジック
    • 入力された情報を総合して、どんな結論が導かれるか
    • 結論を導くためにどんな情報が必要か
    • 入力された情報によって、どんな追加情報が必要になるか
  • 収集すべき情報・検討すべき観点の一覧

が合わさったものをフレームと呼んでいます。 会社にいてもこうしたフレームはありますし、プライベートでもこうしたなにかの情報を入力すると結論を出している場合にはフレームらしき考え方を使っているはずです。

事故をゼロにはできないが、道路の整備は出来る

さて、この辺まで考えると「完璧なフレームがないとやっぱり手戻りが起きるんじゃない?」という声が聞こえてきそうです。 当然フレームにロジックの誤りや観点に不足があれば手戻りが起きます。 そして、世の中ありとあらゆる事柄にフレームを用意するのは、まず間違いなく無理でしょう。

ただ、フレームを整備することで手戻りの量や質を軽減できるはずですし、新しく人が入ってきた時に、同じ失敗をしなくて良くなるかもしれません。

間違った地図は直せばいいが、地図がなければ直せない

時には地図が間違っていることに気がつくこともあるかもしれません。 そりゃ、時代が変われば考え方や文化も少しずつ変わりますし「当時は正しかったが、だんだん実態に合わなくなった」というものもあります。

ただ、そこに気がついたらサッと直せばいいだけです。0から作るのは大変ですが、直すのはそこまで難しくないかもしれません。 これが地図がないと、間違っていることにすら気がつかないかもしれません。認知できないものに人間は行動できないので、誰かの失敗を他の誰かがするのは想像に難くありません。

高尚なフレームワークにこだわらない

最低限やるべきことの箇条書きがあればなんとかなる

「フレームを作るぞ」と気合を入れすぎると、世の中の立派なフレームワークを参考にして不要なことまで考えてしまいそうです。 「ちゃんとしたものを作らないとな」といったことは、少なくとも自分は求めていません。

自分の状況にあったものが一番使いやすいです。 簡素なもので良くて最低限やるべきことの箇条書きが残っていればそれで事足りるはずです。

読み手は差分を意識する

ときには、過去に使ったフレームがそのまま適用できない場合があります。 フレームの良いところは、結論に至るまでの過程でこうしたフレームをそのまま適用できないところがあると、それが目立つ点です。

大事なのは、差分を定義出来ることだと思ってます。 どこが共通していてどこが実態に合っていないかを見極められるようにすることです。 これによって、フレームを使って考えられた思考について、読み手は注意するポイントに強弱をつけることができ、認知負荷が軽減されます。

参考文献

下記の文献を参考にさせていただきました。

実践型クリティカルシンキング 特装版

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