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【読んでみた】2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する

この前はブロックチェーンについて、将来どんな感じで使用されるのかを知りたくて勉強していました。

nogawanogawa.hatenablog.com

今回は、特にブロックチェーンにこだわらず、将来世の中がどんな感じになるのか、偉い人の予想が知りたくてこんな本を読んでみました。

2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する

2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する

この本は、理系の大学レベルで物理学、化学、工学をちゃんと勉強した人じゃないと内容を全部理解するのは難しいです。 各分野の偉い人が章ごとに書いているので、なんとなくで大学の勉強を過ごした私は専門のところ以外はちんぷんかんぷんでした。

※大学で勉強したことが身についているかどうかがバッチリ分かるので、その点ではちゃんと読んでみる価値はあるかもしれません。

基本的には未来の予測についてですが、未来を予測するために歴史を追っているのでこれは勉強になりました。 技術の勉強はしていても、その技術が発明された時代背景まで学ぶ機会はあまりなかったのですごく新鮮でした。

細かいところがわからなくても何となく分かるようになっていますので、自分なりに「こんな風になるのかなあ」と思うところもあったので、その備忘録です。

キーテクノロジー

とくに「このテクノロジーが熱い!」って感じに明記されていないのですが、読んでいて主に取り上げられているテクノロジーはこんな感じです。

やっぱり流行りの技術はちゃんと出てきますね。 面白かったのは、これらの技術が社会に受け入れられて生産性の向上を達成するには数十年かかると言われていました。 AIなんかは今ものすごく盛り上がっていると感じますが、経済学者から見るとこれはまだまだ序の口なんですね。 本当に社会が大きく変わるのは、まだまだ先のようです。

社会はどう変わるか

どの業界がどんな風に変わるのかは、本読んでみてください。 SF映画の世界が本気で予想されています。 バイオテクノロジー再生医療は当たり前になったり、遺伝子操作で農作物の生産効率が飛躍的に向上したり、その他映画の中の世界が書かれています。 30年後ってそれくらい未来なんです。

今回興味があったのは、むしろ「本質的に今と生活がどう変わるか」が知りたかったので、今回はこちらについて思ったことをまとめます。

安心・安全はお金で買う

今でもそうなのですが、安心・安全にさらに価値がつくようになるようです。

2050年には世界全体で今より20億人以上増える見込みになっていて、食料問題はますます深刻化していると思われます。 深刻な食糧問題に対応するために、収穫量の増加・高速化、栄養の増加などを遺伝子操作によって実現すると見られます。 実際、植物の遺伝子操作自体は技術的には既に可能で、それをどこまで人間が許容するかにかかっています。 食料問題が深刻化すれば、貧困層では遺伝子組み換え食品を許容する一方で、富裕層では「安心・安全」は今以上に意識してお金で買うようになると考えられます。

あらゆるものはコンピュータに

すべてのものが計算能力を持つ、コンピュータ化したらいいですね。 IoTなんて言ってるくらいなので、でかい計算はクラウドに生きますが、データを送る端末はすべてコンピュータ化します。

眼鏡やコンタクトレンズ、衣類、果ては体の中までコンピュータ化された時、ディスプレイにキーボードなんていう古臭いコンピュータを使う人がいるとは思えません。 ディスプレイは眼鏡に、キーボードは衣類や脳波になんてことは、あながちない話ではないように思います。 あらゆるものがコンピュータになり、今のPCは姿を消しそうですね。

テクノロジーは格差と平等の根源

現代では格差は教育による所が大きいです。 現代でも文字の読めない人は世界にいる一方で、教育に死ぬほど金をかけている人がいます。

テクノロジーの進歩に伴って教育の機会は真っ先に富裕層が獲得します。 現代の「いつでもどこでも」から、今度は「個性・レベルに合わせて」の教育を提供するようになるようです。 でもこれって実は西欧教育のもともとなんですね。もとは家庭教師だったことを考えると、巡り巡って元のところに戻ってきた感じがします。

教育の機会はテクノロジーの有無によって差が生まれると同時に、テクノロジーによって格差を縮めます。 学校に行くことができない、塾に行くことができない、なんて問題は現代でも解決に向けて動いています。 著名な大学の先生方は、youtubeで授業を配信していたりします。 こうしたテクノロジーの進歩によって、教育格差を無くす方向にも貢献します。

こうして見ると、結局イタチごっこになるんですね。 テクノロジーは格差が生み、格差をテクノロジーによって縮める。 教育は自分に合ったものを探す時代になるとすると、教育現場に求められるのは教科書に載っていないことを教えることになるのでしょうか。 モラルとかマナーとか、人格形成に影響する部分が今よりずっと重視されるようになりそうです。

プライバシーは贅沢品に

実はこの本を読んだのも、プライバシーの考え方がどう変わるのかが知りたかったなので、ドンピシャな内容が書いてありました。 最近では、GoogleAmazonFacebookを始めとして、色んな所で個人と行動が紐付けられています。

企業の経営資源がヒト・モノ・カネ・情報だと言うように、情報の価値は高まる一方です。 特に今日のデジタルマーケティングでは、特定個人に対してカスタムしたやり方をするので、特定個人に紐付いたデータには今後ますます価値が大きくなると思われます。 スマートフォンウェアラブルバイスSNS、そのうち料理のプロセスなんかもデータとして持っていかれるのかもしれないですね。

位置づけとしててデータは提供して当たり前になって、拒否すればお金を払うようになるかもしれません。 企業の戦略策定、商品開発に、データは欠かせなくなります。 そうなったとき、暗黙のうちにプライバシーは贅沢品になるのかもしれません。

データそのものには金銭的価値が無いと思います。 その分析に技術的・金銭的投資を行って「料理」した結果にはお金を払う価値があると思っています。 プライバシーを提供する意義は、その料理の恩恵が十分に社会に還元されることです。 そう考えるとプライバシーの提供拒否は、社会発展の邪魔をしていると考えられるので、「罰金」的な扱いになるのでしょうね。

働き方はより頭を使う方にシフト

本を読むと分かるのですが、将来的にはほぼ全ての仕事で、一部あるいは全部AI化されます。 これはある意味逃れようのない事で、これを阻止する手立ては今のところ法改正くらいですね。

AIによって仕事がなくなるなんて騒いでいますが、個人的には馬鹿馬鹿しく思ってます。 仕事が全部AI化してくれたら人間は自由気ままに楽して生活できるので、最高じゃないですか! ちなみに、AIに仕事を取られたくなければ、コンピュータのランニングコストより安い給料で働けばいいだけの話です。

実際にはAIによって無くなるのは、「コンピュータでもできる」単純作業で、やっぱり人間がやらなきゃいけない仕事はどこかに残ります。 単純作業がAIに取って代わられた時、余剰労働力は、より「コンピュータでは難しい」頭を使う仕事にシフトするはずです。

特に、コンピュータに「判断」まで許すかは疑問です。 責任の所在が曖昧になるからです。 情報の整理分析や指示された作業はコンピュータにできますが、「判断」はしばらく人間の仕事になりそうです。

そうなってくると、人間に求められる能力が少し変わります。 記憶であったり流れ作業はAIやロボットの得意分野なので、判断であったり感情、創造性を活かす能力が求められるような気がしてます。 その辺の棲み分けは今後はっきりしていくはずです。

感想

本にも書いてありますが、あくまで「予想」であり、これから更にすごい技術が出現して全然違う変化が起こるかもしれません。 あくまで予想として受け取って貰えればと思いますが、それでも将来に向けた一つの参考になりますし、意味があるのかなと思いました。

いろんなテクノロジーがいろんなところで応用されようとしていて、とんでもない未来が待っているようです。 曲がりなりにもエンジニアの端くれだと自覚していますが、未来はよりややこしくなりそうです。

本を読んでよかったのは、機械学習の分野は今後当たり前になるということです。 どこの章を読んでも大体AIの話は出てきます。 将来的にSAPみたいな企業活動の根幹となるシステムになるのかもしれません。

言い換えると、おそらく金になります。 これがわかっただけでも、読んで良かったです。